2005年05月09日

OSPFエリア設計時の注意点

OSPFでは、エリアという階層型設計によってネットワークを論理的に分割して大規模ネットワークに対応している。

大規模ネットワークで階層型設計をしていないと、以下のような問題が発生する。

SPF計算頻度の増加
大規模ネットワークになるとトポロジの変化が多くなる。そうなるとLSAが交換されその都度SPFを計算しなくてはいけなくなり、CPUリソースの消費が大きくなり負担が大きくなる。

LSDBが増大
LSDBはネットワークの完全なトポロジが格納されている。ネットワークが大きくなると比例してLSDBのサイズを増え、CPUリソースやメモリリソースの消費が大きくなり負担が大きくなる。

ルーティングテーブルの増大
LSDBが増大するのと同様に、ルーティングテーブルも比例して大きくなり、CPUリソースやメモリリソースの消費が大きくなり負担が大きくなる。

LSAパケットの増加
大規模ネットワークになるとルータの台数が増え、リンクの数も増える。すると、ネットワーク上を流れるLSAパケット数が増え、ネットワークの帯域を圧迫してしまう。


エリアという階層型設計にした場合の効果


SPF計算頻度の減少
リンクの詳細情報はエリア内で保持される。トポロジーの変化によるLSAパケットが流れる範囲がエリア内に限定されるので、SPFの計算頻度が減少し、CPUへの負担が減る

ルーティングテーブルの縮小
境界ルータ(エリアに挟まれたルータ)に限り、経路集約が可能になる。つまり、複数のルートを1つに集約することができるので、ルーティングテーブルのサイズが縮小され、CPUへの負担が減り、メモリリソースのっ消費も減る。また、コンバージェンスが高速化される。ちなみに、経路集約は管理者が手動で行い、主要ネットワークでの自動集約は行われない。

ネットワーク上のLSAパケットの減少
集約により、エリア間のLSAが減少するので、ネットワーク上を流れるLSAパケット数を減らすことが出来る。




関連用語
OSPF
OSPFの動作(ブロードキャストマルチアクセス)
OSPFの動作(ポイントツーポイント)
OSPFの動作(MBMAネットワーク)
OSPFパケット


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